町田家の軍歌マチさんはとても凛々しい女性に見えます。
「少女!」
「ウフフ! 私のこと少女に見えます?」
遠藤愛(えんどうめでる)は調子に乗ってます。
「めでる……お前痛いぞ」
遠藤慈(えんどういつく)は引いています。
「そこの少年! 姉に対して痛いというのは失礼だぞ」
「俺は少年じゃねえよ!」
慈はキレ散らかしています。マチさんは相変わらず凛々しく言いました。
「少年とは得てして背伸びしたがるものだ。わかるぞ少年! だからこそ少年は成長するのだ! 少年が道を外さないよう、私が見守ってやる!」
「だから少年じゃねえよ!」
「少女だったのか」
「違う!」
マチさんと慈が話していると、遠藤愛が奥から上機嫌でやってきました。
「マチさ~ん、遠藤特製、カレーつけ麺食べませんか?」
何やら料理を運んできて……
「うむ! ご苦労!」
マチさんの瞳がピカピカ輝きます。
「やっぱりお兄さんと一緒でカレー好きなんですね!」
「おやおや! うちの兄もすでにお世話になっていたか」
マチさんは改まって言いました。
「どうやらうちの兄もカレーつけ麺とやらをごちそうになったみたいだな! 世話になった! 私もありがたくいただくとしよう!」
豪快にカレーつけ麺を食べるマチさん。
愛は……なぜか悔しそう。
「くそぅ! カレーつけ麺食べさせればカレー汁がはねて白い服がビシャビシャになると思ったのに! この女めちゃめちゃキレイにカレーつけ麺を食べよる!」
慈はドン引きしています。
「なんて馬鹿な実験をしているんだめでる……」